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2011.02.27 Sunday

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2009.01.08 Thursday

イミディエイト以降も必聴です。

♯230 スモール・フェイセズ / スモール・フェイセズ 

明けましておめでとうございます・・・。って,1月のいつ頃まで言っていいのでしょうかね。
新年の一発目がすっかり遅くなってしまいましたが,今年もこんな感じでダラダラとマイペースで更新させていただきますので,どうかよろしくお願いいたします。

新年の1枚目は,旧譜名盤のご紹介から。
何の脈略もないですが,スモール・フェイセズの1stアルバム。

スモール・フェイセズほど,ここ日本において過小評価されている(というかほとんど認知すらされていない?)UKロック・バンドはいないと思います。その原因の一つと考えられるのが,1st発表後,すぐにレーベルを移籍し,旧レーベルが1st収録の曲に未発表テイクを加えた寄せ集めアルバムを発表したり,新レーベルでは1stと同じ名前のアルバムを出したり,おまけにシングルをほとんどアルバムに収録しないものだから,バンド解散後,シングル中心の編集盤が乱発されたりして,いったいどれがオリジナル・アルバムで,どれが代表作なのか,後追いリスナーにとって物凄くわかりにくいところでしょう。

日本での認知はイマイチのスモール・フェイセズですが,母国では,当時から「真のモッズ・バンド」として「ウエスト・エンドのザ・フー,イースト・エンドのスモール・フェイセズ」と言われるほど,モッズ・ムーヴメントを代表するバンドでした。彼らの一般的な代表作はコンセプト・アルバムでもある4th『OGDEN'S NUT GONE FLAKE』(デッカの『FROM THE BEGINNING』を2ndにカウントしています)なのかもしれませんが,私はブリティッシュ・ビートで押しまくる この1stアルバムが一番好きです。あのジミー・ペイジが,レッド・ツェッペリンのボーカリストの筆頭候補として考えたといわれるスティーヴ・マリオット。ポール・ウェラーも死ぬほど憧れる「モッド・ファーザー」の激ソウルフルなシャウトを聴いて,グッと来ない男子はいないでしょう。(是非,YOU TUBE での「動くマリオット」を見ていただきたい。マジ,痺れます・・・。)
それにしましても,この破天荒極まりないガレージ・サウンドはどうしたことでしょう(笑)。この時代にして,こんな爆音でこんな荒々しいサウンドを鳴らされた日には,本作以降のロックに一体何ができるというのでしょうか。
そして忘れてならないのは,バンドのもう一人の核であるロニー・レイン。彼独特の人懐っこいメロディーは,イミディエイト移籍以降の作品により顕著になってきますが,このマリオット/レインのコンビは,ブリティッシュ・ロック屈指のソングライター・チームと呼んでも過言ではないでしょう。この2人は,それぞれ ハンブル・パイ(マリオット)とフェイセズ(レイン)という新しいバンドでその才能を大いに発揮していくことになったわけですが,そんな素晴らしい2人の天才がもうこの世にいないというのは,何とも切ない話です。

ロックは40年以上も昔からこんなにカッコ良かったのだということをあらためて実感させてくれる60年代の傑作です。

2008.08.20 Wednesday

2ndもそんなに悪くないのですが・・・。

♯224
Lovers
ラヴァーズ / ザ・スリーピー・ジャクソン

今年(厳密にいえば,07年?)話題の新人MGMT。
MGMTを聴いてて,ふと思い出した本作。03年発表のザ・スリーピー・ジャクソンの傑作デビュー・アルバム。

当時,それなりに日本でも注目されたりしましたが,その後リリースした2nd(06年発表)がかなり地味な扱いで,ほとんど話題にもなりませんでしたので,ここであらためて簡単に彼らの紹介をさせていただきます。

オーストラリアはパース出身。結成は99年で,前述のとおり,これまでに2枚のアルバムを発表しています。
バンドの中心人物はヴォーカルのルーク・スティールで,ほとんどすべての楽曲のソングライティングを担っています(というか,実質的には彼のワンマン・バンド)。音楽性(少なくともこの1stアルバムにおいての話ですが)としては,ルークの父親がカントリー・ミュージシャンだったこともあってか,カントリー・ミュージックがベースとなっているものの,中期ビートルズ的なサイケデリックな美しい旋律の曲あり,T・レックスを想わせるブギー調あり,軽快なギターポップあり,シタールを取り入れたインド民謡風あり,日本語のコーラスありと,要は,何でもありの一筋縄ではいかないもの。この雑多な音楽性は,彼が最も影響を受けたと公言しているベックの音楽性と近いものを感じます。

本作収録の曲は,いずれも素晴らしいメロディを持つ楽曲ばかりなので,本当に甲乙付け難いのですが,個人的には,その中でも特に,M4「THIS DAY」,M8「COME TO THIS」あたりが大好きです。どちらもビートルズを強く意識したと思われる楽曲で,前者はジョン・レノンを,後者はジョージ・ハリソンを連想せずにいられません。こういう美しいメロディを書ける人って,今のUS,UKを見渡してもそうはいないと思います(褒めすぎか・・・)。

もし,MGMTの白昼夢のようなサイケデリアにドップリ浸ってしまった人であれば,本作の虜になること間違いなしだと思いますので,機会があれば是非お試しください。
2008.06.03 Tuesday

いうまでもなく新作も最高。

♯221
Face the Truth
フェイス・ザ・トゥルース / スティーヴン・マルクマス

ヴェルヴェッツもドアーズもクラッシュもU2も,そしてニルヴァーナも,私の大好きなロックバンド達はみんなロックのカッコ良さをたくさん教えてくれました。でも,ロックのダサさとか,暑苦しさとか,胡散臭さとか,そんなことまでも教えてくれたのは,後にも先にもペイヴメントだけでした。

本ブログでこれまでに220組のアーティストを紹介してきましたが,私にとって,その220組のアーティストの中でも,10本,いやいや5本の指に入るであろう愛すべき心のバンド,ペイヴメント。本日紹介するのは,そのペイヴメントの中心人物スティーヴン・マルクマスのソロ3作目『FACE THE TRUTH』です。

ペイヴメント時代も含めていえることですが,この男の創る作品はいつも刺激的で,駄作というものがありません(新作も最高!)。本作は,ソロで発表した作品のうち,最もペイヴメント的ともいえる“捻くれローファイ・ポップ”全開の音で,多くのファンが待ちに待っていたペイヴメント回帰作とも言える作品です。個人的には“&ザ・ジックス”名義の『PIG LIB』や同じく“&ザ・ジックス”名義の新作『REAL EMOTIONAL TRASH』のようなプログレ的なアプローチの作品も捨てがたいですが,本作にみせるスティーヴン特有の“壊れたポップネス”も,やはり素晴らしい。

M1からして,人を舐め切った電子音からヨレヨレなローファイ・サウンドへなだれ込み,サビでは一転,キャッチーなメロディが炸裂という,お得意のパターンにヤられます。「鉛筆の腐敗(PENCIL ROT)」っていう歌詞も相変わらず意味不明で最高です。そして,M4「FREEZE THE SAINTS」のメロディの美しさといったら。やはり,スティーヴンのメロディ・メーカーとしての才能にはいつも脱帽します。そして,本作のハイライトの一つである圧巻の長尺ジャム・ソングM6「NO MORE SHOES」。ペイヴメント流の超絶プログレの一丁上がりです。

昨今,「ペイヴメントに影響を受けた」という若手バンドが後を絶たず,今年,まさにブレイク中のヴァンパイア・ウィークエンドやロス・キャンペシーノス!などにもペイヴメントの遺伝子がちゃんと受け継がれているようで,彼らの音が時代を超えて愛され続けているということはファンの一人としても本当にうれしいかぎりです。
2008.02.23 Saturday

グランジの功罪

♯211
Indoor Living
インドア・リビング / スーパーチャンク

昨今,再び,米国インディーシーンが活気づいているようですが,そんな今のシーンの盛り上がりがあるのも,この偉大なるインディー・バンドの存在があったからだと思います。ということで,スーパーチャンク。

スーパーチャンクの結成は'89年ですから,もうかれこれ20年近いキャリアになります。ノース・キャロライナ州のチャペル・ヒルから登場した彼らは,当初,マタドールからアルバムをリリースしていましたが,4枚目の「FOOLISH」以降,マージ(MERGE)という自らのレーベルを立ち上げて,そこからアルバムをリリースしていくこととなりました。時は,まさにグランジ・ブームの真っ只中で,カート・コバーンがメジャーでの破格の成功と引き換えに,自らの命を絶ってしまうことになる,まさにそんな頃。当時,スーパーチャンクもグランジ・シーンにおいて注目を集めつつあったわけですが,彼らは“メジャー”という道には進むことなく,自らのレーベルを立ち上げ,自分達の手でバンドを運営していく選択をしたのです。

それから,10数年。メジャー流通に一切頼ることなく,まさに,D.I.Y.の精神で活動を展開してきた彼らは,いまや,イアン・マッケイ率いるフガジとともに,最もリスペクトされるべき米国インディー・ロックバンドとして君臨し,ベッド・ルームを事務所代わりにして始めたマージ・レコードは,'07年の「顔」ともいえるバンド,アーケイド・ファイアやスプーンを擁する米国シーン屈指のインディー・レーベルにまで成長しました。

そんなスーパーチャンクのアルバムは,作品毎にどんどんポップでメロディアスになっていく傾向(あくまで私見ですが)にありまして,最新作が最高傑作といってもいいぐらいなのですが,そんな中で,今回,あえて取り上げましたのが彼らの6作目「INDOOR LIVING」('97年)。
私がスーパーチャンクと出会ったのは,2作目「NO POCKY FOR KITTY」('91年)が最初だったのですが,当時は,ニルヴァーナの「NEVERMIND」に夢中でしたので,スーパーチャンクの音を初めて聴いた時,正直かなり荒削りな印象を受けた記憶があります(そういえば,アルビニだったしね)。しかし,そんな彼らの作品も,枚数を重ねる毎にポップさが増していき,6作目となる本作は,楽曲のバラエティ・完成度とも,これまでの作品と比べ完全に一皮剥けた感のある傑作です。ジム・オルークの手を借りた更なる野心作「COME PICK ME UP」,ジムから得たノウハウを完全に自分たちのものにした「HERE'S TO SHUTTING UP」と,この後の作品の充実ぶりには目を見張るものがありますが,本作はそんな近年の飛躍のきっかけとなったような作品だと思います。

90年代のグランジ・ブームに決して浮き足立つことなく,シーンとは一定の距離を保ちながら,自分たちのやりたい音楽だけを,小さいけれど信頼できる自前のシステムだけで供給してきた彼ら。それは,弁護士を父に持ち,コロンビア大学に学んだインテリ学生,マックだからこそ成し得た成功ではあるのですが,そんな彼らの成功を誇らしげに思う一方で,純粋過ぎたゆえ,完全にグランジ・ブームに翻弄されメジャーの大波に飲み込まれてしまった,もう一人の青年のことを想わずにいられません。
2007.11.28 Wednesday

尊敬される猿

♯191
Life on Other Planets
ライフ・オン・アザー・プラネッツ / スーパーグラス

スーパーグラスは,英国ロックの良心であり,最も過小評価されているロックバンドの一つだと思います。

彼らのデビューはブリット・ポップ全盛期の'94年。デビュー時から13年の間に発表した作品は5作品と,どちらかというと寡作な方かもしれませんが,これだけ移り変わりの激しいロック・シーンにおいて,常に一定の支持を得ながら自分たちのペースでコンスタントに作品をドロップしてきている彼らは,同世代のバンドをはじめ,'00年以降にデビューした多くの若手ミュージシャンからもリスペクトを受けている,まさにミュージシャンズ・ミューシャン的なバンドと言えるかもしれません。

そんな彼らは前述のデビュー以来,初期の勢い任せのガレージサウンド(「コウト・バイ・ザ・ファズ(最高!)」「マンサイズ・ルースター(同じく最高!)」)から一転,作品を追うごとに音楽性の幅を着実に広げていき,近年の作品では,ソウル,スカ,サイケ,果てはグラムと,その貪欲なまでの成長ぶりは留まるところを知りません。

本作は,そんな彼らの成熟ぶりが一つのピークを迎えた'02年発表の4thアルバムです。
個人的には,これより一作前の「スーパーグラス(通称X−レイ・アルバム)」が,彼らの多才ぶりを存分に発揮した真のブリティッシュ・ロックバンドとしての風格を大いに感じさせる力作だったので,まさかそんな前作をいとも容易く超えてしまうとは思っていませんでした。このアルバムでは,デヴィッド・ボウイが憑依したのではないかとさえ思えるぐらい,ヴォーカリストとしてのギャズの才能が堪能できるとともに,楽曲自体もスーパーグラス史上最もメロディアスでポップな佳曲がズラリと並んでいます。

この後の作品('05年「ロード・トゥ・ルーアン」)が本作に比べると若干地味な印象を与えるものであったことからも,もうすぐリリースされるであろう新作で,彼らがどんな新しいスーパーグラス・ワールドを披露してくれるか,期待して待つことにしましょう。
2007.11.05 Monday

ギャハハハハ(祝!国内盤リリース決定!)

♯185
Ga Ga Ga Ga Ga
ガ・ガ・ガ・ガ・ガ / スプーン

いよいよ国内盤の発売も決定したらしく,俄かに注目されはじめてきたテキサス州はオースティンのバンド,スプーン。やっとかよ!と,日本のレコード会社の重い腰には多少の苛立ちも覚えますが,まあ,確かにこのバンドの掴みどころの無さからいうと,やむを得ない気もしなくもありません。いずれにせよ,彼らの長い活動歴において数少ない国内盤の発売となりますが,今度こそは本格的な日本国内のブレイクを期待しましょう。

さて,数少ない(?)スプーン・ファンの一人としまして,簡単に彼らの活動歴を紹介させていただきます。
バンドの結成は'92年(デビューは'94年)ですから,すでに15年選手の彼ら。
中心人物は,ブリット・ダニエルという,バンドを結成するまではゲーム・ソフトのサウンド・エフェクトを仕事にしていたという変わった経歴の持ち主。
バンド結成時の目指すべきアーティストは,ルー・リード,テレヴィジョン,ピクシーズ,ワイアーetc(全部,私の好物だ(笑))。
アルバムのデビューは'96年リリースの「TELEPHONO」。この1stアルバムは,8トラックで録られた宅録的でミニマルな作品でしたが,音楽的にはその時代を反映してか,多少ニルヴァーナの影響も見せつつの,一方で,今の彼らにも通じる捻くれたポップ・センスを窺うことのできる佳作でした。その後,なぜか2枚目「A SERIES OF SNEAKS」で奇跡のメジャーリリースが突如実現するも,次の3枚目「GIRLS CAN TELL」でまたインディ生活へ逆戻り。そんなレコード会社の気まぐれな扱いに翻弄されながらも,彼らの出す作品は,枚数を重ねるごとに表情豊かなポップスへと着実に成長を遂げ,その後,「KILL THE MOONLIGHT」,「GIMME FICTION」とポップスファンを唸らせる傑作を連発。
ここ日本ではほとんど無風状態であったものの,彼らの音楽は確実に多くのファンを増やしていき,本作リリース時の試聴会には,あのレディオヘッドのメンバーも顔を出すほどの注目ぶりを受けていました。
そして,(日本以外の)世界中が注目する中リリースされた本作は,全米初登場10位(!)の歓迎ぶりをもって迎えられることとなりました(メデタシ,メデタシ)。

さて,本作は既に各誌でも彼らの「最高傑作」として絶賛されているようですが,スプーンのコアなファンの一人としましては,古い作品をプッシュしたい気持ちもなくはないですが,冷静に聴き比べてみても今作がベストのような気がします。(でも,どの作品も本当に甲乙付け難い良い作品ばかりです。)

スヌーザーの某編集長も書かれていましたが,スプーンの音楽は,決して派手ではないし,革新的でもないのですが,間違いなく10年後も聴き続けるであろう,そんな普遍性を持つ音楽です。ビートルズとテレヴィジョンとピクシーズとペイヴメントが好きな人は,是非聴いてみてください。
2007.09.17 Monday

これが彼らの生きる道

♯171
Performance and Cocktails
パフォーマンス・アンド・カクテルズ / ステレオフォニックス

ステレオフォニックスの6枚目の作品がもうすぐリリースされます。

デビューが'96年(アルバムデビューは'97年)ですから,もう10年選手です。ブリットポップの終焉期に近い頃にデビューした彼らは,それこそ,同時期にデビューしたブリットポップシーンの残りカス(大変失礼)みたいな連中が,シーンの終焉とともに次々と消え去っていく中,その後のガレージシーンとも,ポストパンク・リバイバルシーンともほとんどリンクすることもなく,只々「良い曲を書く」良質なロックバンドとして,英国の国民的バンドの座をモノにし,力強く生き残り続けています。トラヴィスや近年のマニックス(フォニクスと同郷!)も同様なのですが,新作をとりわけ首を長くして待っているわけではない(失礼)のですが,出ると必ず買ってしまい,これがまた駄作というものがないものだから,次もまた買ってしまう。今回のアルバムも,きっと発売後,少し時間が経ってから,ウチのCD棚にいつの間にか入っていることと思います。

前作「LANGUAGE.SEX.VIOLENCE.OTHER?」(フォニクス史上屈指の名曲“DAKOTA”収録)が初期の勢いのあるロックンロール・モード全開のウェルカム・バック!な傑作だっただけに,やっぱりアーシーなアメリカン・ロックもいいけど,フォニックスはこっちモードがいいなと。

'99年発表の名作2nd。全英初登場No.1。
「良い曲を書き続けること」がバンドの原動力であり,存在意義そのものであるということ。ミュージックシーンが猫の目のようにコロコロと変わっていく中,世間の喧騒には目もくれず10年前のデビュー以来,一貫してその姿勢を貫き続けている彼ら。“正統派”という形容は,このバンドのためにあるような,そんなバンドです。
2007.09.15 Saturday

発火点

♯170
Daydream Nation
デイドリーム・ネイション / ソニック・ユース

本作がリリースされたのが'88年。(もう20年近く前か。そんな昔なのね。)
当時のUSシーンでは,前年にガンズ・アンド・ローゼスの「APPETITE FOR DESTRUCTION」がリリースされたばかりで,まだまだハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)の勢いが続いている頃ではあったが,明らかに
HR/HMシーンは飽和状態にあり,調整局面を迎えようとしていた。

代わって台頭しつつあったのが,US地下シーンで暗躍していた“オルタナティヴ”の連中だ。
ソニック・ユースの本作が'82年のデビュー作から数えて6枚目(!)にあたることからも,我々(私)が,MTVやらHR/HMにウツツを抜かしている間に,シーンの水面下では着実に新しい動きが起こりつつあった。

そんな最中にリリースされたソニック・ユースの80年代を代表する傑作(アナログ盤で2枚組)。
冒頭の「TEEN AGE RIOT」から圧巻。キムの囁くような声とともに穏やかに始まったかと思いきや,突如襲いかかってくるサーストンのノイズギターが疾走する。まさにノイズとメランコリーの嵐。これまでになくメロディは雄弁になり,そこにソニック・ユース本来の実験性がキッチリと織り込まれ,一切の予定調和が放棄される。まさに聴くたびに鳥肌が立つ,時代による風化とは無縁のアンセム曲だ。

ソニック・ユースの灯したこの“蝋燭の火”は,地下世界で活動していたオルタナティヴの連中が,地上へ歩を進めていくための案内灯の役割を果たし,さらに,この灯はその何年か後に,ニルヴァーナという怪物バンドによって“グランジ”という,それまでのシーンを焼き尽くしてしまう大きな炎へと繋がっていくこととなる。
2007.09.05 Wednesday

今更ですが・・・。

♯168
勝手にしやがれ
ネヴァー・マインド・ザ・ボロックス / ザ・セックス・ピストルズ

このブログをはじめて1年半を迎えようとする中,すでに170枚近くの(極)私的名盤を紹介してきましたが,今更ながらにこのド名盤を紹介してよいのでしょうか。
ロッキング・オンで定番となりつつある,“ネタ切れで困った時”のビートルズ,ピストルズ,ニルヴァーナ特集。
77年のパンク元年から30周年の今年,ROの今月号はパンク(ピストルズ)徹底検証のようです。
ということで,ドサクサに紛れて,こちらも遅ればせながらのピストルズ。

とは言ってみたものの,本作を前にすると今更書くこともないですね。
正直,本作に対する思い入れはあまりなかったりします・・。同じパンクバンドでいえば,クラッシュの「LONDON CALLING」の方がよほど愛聴しているし,恐らく,本作を聴いた回数は50回にも満たないような気がします。
思うに,このレコードは「作品」ではなく「事件」であって,「聴き継がれるもの」ではなく,「語り継がれる」1枚のような気がします。

ただ,一つだけ言えるのは,私にとっての「ロック」という概念は「= パンク」であり「= 本作」であるということ。
ある物事に対して何らかの決断をするとき,私の場合は大抵「それが“ロック”であるか否か」ということで決める習慣があります。
パンクのように「従来の価値観に捉われないものであるかどうか」,このアルバムのように「潔いものであるかどうか」という考え方が自分の思考回路に染み付いてしまっているのは,間違いなくこの作品に出会ったからであり,そういう意味で影響大な1枚です。
2007.06.23 Saturday

昔はシンニード,今はシネイド

♯152

アイ・ドゥ・ノット・ウォント・ファット・アイ・ハヴント・ゴット / シネイド・オコナー

今思えば,彼女は'90年代初頭,常にメディアを騒がせたアーティストの一人だった。

ニュージャージーでのコンサートでは,オープニングで流されるアメリカ国歌を拒否して,アメリカ国民の怒りを買ったりした。'92年にはアメリカの生放送番組「サタデー・ナイト・ライブ」でボブ・マーリーの「WAR」を歌い終えた後に,突然カメラの前で「FIGHT THE REAL ENEMY」と叫び当時のローマ法王ヨハネ・パウロ2世の写真を破り捨てるという暴挙に出てしまった。その騒動の2週間後のボブ・ディランのデビュー30周年コンサートでは,2万人の観客の大ブーイングを浴びステージを降りることを余儀なくされた。

こうした彼女の危なっかしい言動・行動が,結果,自身のアーティスト生命を短くしてしまったように思えなくもないが,アイルランドが生んだこの孤高の女性シンガー・ソングライターは,その後多くの女性アーティストに影響を与えたばかりでなく,マッシヴ・アタックやエイジアン・ダブ・ファンデイションから作品参加のラブ・コールを受けるなど今でも先鋭アーティストからの支持を得ている。

'90年リリースの傑作2nd。本作は,プリンス作の"NOTHING COMPARES 2 YOU"(激名曲)が 収録されていることで話題になることが多いですが,他のシネイド作の楽曲もいずれも名曲ばかりです。
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